犬小屋購入前の基礎知識
当工房の犬小屋に限らず、ホームセンターなどで犬小屋を購入する時の注意点です。
文字が多くて申し訳ありませんが、少しは為になることも書いてありますので、お時間のある時に御一読くださいませ。
このページでは、犬小屋を購入されるにあたって、
知っておいた方が良いことを記しておきます。
ホームセンターなどで犬小屋を購入する際にも役立つ知識なので、是非ご一読下さいませ。
まずは、設置する環境について説明いたします。
犬小屋設置に適した環境とは?
犬小屋ですから、ほとんどの場合屋外に設置することになると思います。
屋外でしたら、例えば、ひさしのすぐ下やカーポート内など、
雨や直射日光からある程度守られるような環境が、犬小屋の設置には適しています。
特に木製犬小屋の場合、一番の敵は湿気です。
木材は、常に湿気を帯びた状態におかれると、細菌がどんどん発生します。
また、シロアリやダンゴ虫なども集まりやすくなります。
そうなると、木材は加速度的に腐っていきます。
(こうなると、わんちゃんの健康にも良くないですね)
それを防ぐにはどうするか?
前述したように、雨がなるべく当たらない場所に犬小屋を設置することです。
そういった都合の良い場所がない場合は、
ホームセンターの木製犬小屋はおすすめしません。
どうしても安く済ませたい場合は、プラスチック製の犬小屋がましですが、それについては後ほど・・・。
ホームセンターで売られている木製犬小屋は、全てとは言いませんが、ほとんどの物は耐久性がありません。
理由は使用されている木材がかなり薄い上、大量生産しているせいか、作りが雑なものが多いからです。
ホームセンターに行く機会がありましたら、一度犬小屋の屋根を軽く押してみてください。
間違いなくグラグラします。
さらに、犬小屋を湿気から守るための塗装が、わりといい加減だったりします。
よく見ると、塗りムラ、塗り忘れの箇所がありますので、
これもホームセンターに行った際に確認してみるといいでしょう。
こちらは当工房のお客様から送って頂いた、設置後の画像です。
ブロックの上に載せると、二つ良いことがあります。
一つは、地面に接していないので、水分を吸い上げることがありません。
もう一つは、床と地面の間に十分な空間ができ、湿気がこもりにくくなります。
さらに特筆すべきは上にかかったシェード(日除け)です。
直射日光をさけるのはもちろん、ある程度の雨もさけてくれるので、本当におすすめです。
湿気は地面からも!
ホームセンターにあるような大手メーカーの犬小屋は、底部分に全く塗装をしていない物があるので、注意してください。
湿気は天(雨)からだけでなく、地面からも襲ってくるものなので、木製犬小屋の底部分は、絶対に塗装をしなければならないのです。
性根の悪いメーカーは、「見えない部分は手を抜く」のが当たり前ですから、購入する際は底部分の塗装がされているかどうか、必ずチェックしてください。
当工房の犬小屋「置けるんやね」の底面を塗装しているところです。
隅々までしっかりと塗装しております。
塗料は、底面のみウッドガードという耐候性の高い塗料を使用しております。
(底面以外は天然塗料)
また、補強材が入っているので、かなりの荷重に耐えられます。
犬小屋を設置する場所が粘土質のように、常に湿気を含んでいる場合は、犬小屋の脚にブロックなどを置くようにしましょう。
木製犬小屋が湿気た地面と直に接していると、接した部分から地面の水分を吸い上げていきます(毛細管現象)。
そして、湿気た木材が腐りやすいというのは、前述したとおりです。
設置する地面にまんべんなく砂利をひき、その上にブロックを置き、犬小屋を設置するのが最も良い方法です。
さらに、面倒かもしれませんが「犬小屋の塗装が薄くなってきたな」と思ったら、再塗装することをおすすめします。
塗装の頻度ですが、理想を言えば年に1回・・・ですが、なかなか毎年毎年できるものではありません。
現実的には3年に1回といったところでしょうか。
塗装の詳細は、下のページに記しております。
プラスチック製犬小屋は万能か?
木製犬小屋がいかに湿気に弱いか、お分かりいただけたと思います。
「じゃあプラスチック製の安い犬小屋にしよう」
と思われる方も多いのではないでしょうか。
確かにプラスチックは湿気を寄せ付けませんし、何より軽いのがいいですね。
ただ、プラスチックもやはり劣化します。
劣化末期には、ポロポロと簡単に崩れるようになります。
日当たりが良すぎる場所に置くと、劣化が早まりますので、注意してください。
また、いくら水に強いといっても、やはり湿気の多い場所はわんちゃんにとって良くありません。
前述したように、砂利などをひいて、環境を改善してやりましょう。
木製、プラスチック製にかかわらず、犬小屋設置の注意点をまとめますと・・・
① 雨と直射日光がなるべくあたらない場所に置く。
② 設置する地面は、乾いた状態にする。
この2点に尽きるでしょう。
やはりプラスチックの犬小屋の方が良いか?
ここまで、なんとなくプラスチック製犬小屋に軍配があがった感がありますが、必ずしもそういうわけではありません。
犬小屋の最大の目的を考えましょう。
犬が寝る、またはくつろぐことです。
考えてみてください。もしも自分の部屋の壁がプラスチックだったら・・・と。
なんとなく気持ち悪い感じがしますね。
では、木の壁だったら・・・。
ただ居るだけで癒されるような感じを、多くの方が想像されるはずです。
犬も同じではないでしょうか?
プラスチックのような無機物に囲まれるよりも、生きた素材である木材に囲まれた方が落ち着くとは思いませんか?
犬は、普段、我々人間を癒してくれます。
犬も癒してやりましょう、目一杯の愛情と木製犬小屋で。
置けるんやね・自然派(桧)の室内。 美しい木目に癒されます。
木製犬小屋購入の注意点
ホームセンターの安価な木製犬小屋も、設置環境さえ良ければ長持ちすることでしょう。
例えば、車庫の中に犬小屋を置いた場合、直射日光も雨も当たりません。
こういう環境でしたら、安価な犬小屋も長持ちすると思います。
実際、我が家の愛犬ゴボウの小屋も、端材を足して足して足しまくって作っており、塗装さえしておりません。
ですが車庫の中に置いているので、全く平気です。
ゴボウ御殿です。
コンパネの端材をいくつも足して作りました。
塗装もしておりません。
これをそのまま外に置いたら、おそらく2、3年でかなりボロくなるでしょう。
でも、車庫の中なので、これで十分です。
安い木製犬小屋を購入される際には、気をつけなければならないことがあります。
作りがかなり雑なので、たまにケーシングというとても細い釘なんかが飛び出ていることがあります。見つけたら取り除いてやって下さい。
また、冒頭でも述べましたが、安い犬小屋は強度があまりないので、地震の際のシェルターには成り得ません。
さておき、安くて手軽に購入できるホームセンターの犬小屋ですが、大型犬の場合は、多少値が張っても、しっかりした犬小屋を購入してください。
大型犬の中には体重50キロを越す種類もいます。
そんな巨漢が、一日に何度も出入りするわけですから、正直言って、ホームセンターの犬小屋では心もとない気がします。
なぜか?
何度も述べているように、犬小屋に使われる木材が薄く強度が弱いからです。
しっかりした犬小屋を手に入れる方法としては、もちろん当工房で買っていただければ嬉しいのですが、それ以外でしたら、近所の大工さんに頼むのが良いと思います。
大工さんは、常に強度のことを考えて仕事をしていますから、きっと頑丈な犬小屋を作ってくれる事でしょう。
一つ問題があるとすれば、価格が高くなりすぎるということでしょうか。
通常、大工さんの一日の賃金は1万5000円~2万円です(ちなみに当工房では、1日の人件費を1万2000円で計算しております)。
例えばこの犬小屋の場合、高さ85センチ、幅75センチ、奥行130センチ程度ありまして、これの製作には約3日かかります。
ということは、まともな人件費を挙げると、50,000円程度になります。
それプラス材料費ですが、これが曲者です。大工さんが言う材料費とは、仕入れ×1.2~1.3の値段なのです。
左の犬小屋の純粋な材料費は12,000円なのですが、
それに1.2をかけた14,400円。
四捨五入ならぬ、四入五入して、15,000円が材料費となります(もっと高い掛け率にするところもあります)。
さらに、諸経費で5,000円くらい足され、
50,000+15,000+5,000=70,000円となります。
大工さんの出す価格というのは、大工さんの数だけ違いますので、一概には言えませんが、それでも、上の犬小屋だったら最低でも50,000円は請求されるはずです。
これは余談になりますが、普段から頻繁に付き合いのある大工さんなら、「材料費だけでいいよ」とか、「プレゼントだよ」と言ってくれる場合も少なからずあります。
まずは近所の大工さんに相談してみてはいかがでしょうか?
ただ、基本的に大工さんは基本的に塗装はしてくれないので、その点は事前に確認しておいて下さい。。
ちなみに上記の価格も塗装代は含んでおりません。
以上のことを考えると、
「うちの犬小屋は送料を含んでもかなり安いなあ・・・」
と、我が事ながら思ってしまいます。
木製犬小屋購入の注意点・その2
ホームセンターの犬小屋を見ると、開閉式の窓がついていたり、扉がついていたりと、その多機能ぶりに驚かされます。
私もついつい
「こりゃ便利だなあ!」
と感心することも度々あります。
ですが、これは罠ですから、注意してください。
以前、とある店で見かけた犬小屋は、屋根の一部がパカッと開きました。
暑い日には、そこを開ければ涼しくなりますよ、という意図のようです。
確かに機能としては素晴らしいのですが、作りがかなりいい加減でした。
雨がまともに当たれば、おそらく中にも入ってくることでしょう。
また、その開閉部分に使われる蝶番がステンレスではなかったのです。
これがどういう結末になるかというと、何年かすれば錆びて使い物にならなくなる、ということです。
何年かすれば使い物にならなくなるということは、裏を返せば、何年かはもつということです。
そこには、メーカー側の「購入から2,3年経てば、客も文句は言わんだろう」という、
ずる賢い思想が見え隠れします。
やはりシンプルイズベスト。
犬小屋を購入される際は、ゴチャゴチャと余計な機能がついたものはやめておくのが無難でしょう。
これは、ホームセンター―で見かけた木製物置の画像です。
角の柱がずれて、横壁がめくれております。
画像では分かりませんが、扉も傾いており、開くと壊れそうでした。
売る気ゼロですね。
犬小屋に限らず、ホームセンターの木製エクステリア類は、管理がずさんなことが多いので、十分にチェックしてから購入しましょう。
めくれた部分のアップです。
壁の薄さがお分かりになるでしょうか?
いろいろと片付けたくて物置を買うのに、これではゴミが増えるだけですね。
気をつけましょう。